去年の出生率が0.72と過去最低を更新し、少子化に歯止めがかからない韓国。その背景を象徴するのが二つの言葉、「塾ぐるぐる」と「ミーイズム」です。
ソウルの散歩道。多くの人が引いていたのは最近、人気となっているペットを乗せたペットカーです。韓国ではペットカーの販売量が、ベビーカーの販売量を上回ったことを示すデータもあります。
「若い人たちは子供を産んで苦労するよりも、犬や猫を育てて楽しく暮らそうという人が増えている」
きのう発表された韓国の去年の合計特殊出生率は「0.72」と過去最低を更新。少子化が進む日本をも大きく下回る水準です。
なぜここまで低くなったのか。
「韓国は最低賃金も高くないし、就職も難しい。こんな環境で異性と結婚して子供を持つことができるのか疑問です」
子育てをしづらくする要因の一つが“過酷な競争”。「塾ぐるぐる」と呼ばれるように、受験や就職を勝ち抜くために塾や習い事をいくつも掛け持ちする子供たちが大勢いるのです。親の経済的な負担も大きく、不動産の高騰などで苦しい生活に追い打ちをかけています。
また、専門家は自分の幸福を追求する「ミーイズム」と呼ばれる傾向が広がっていることも背景にあると指摘します。
インハ大学 イウンヒ教授
「若い世代を中心にミーイズムと言って、自分をとても大切に思っています。自分が犠牲になって子供を産んで苦しむよりは、自分が幸せに生きることがもっと重要だと考えるのです」
人口減少による「国家消滅」の危機も指摘されるほどで、少子化対策がいっそう喫緊の課題となっています。
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